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2019ニューイヤー公演 白鳥〜HAKUCHO〜を終えて

2019ニューイヤー公演 白鳥〜HAKUCHO〜の公演が無事終了いたしました。
多くの方にご来場いただき、まことにありがとうございます。
今回の公演は昼夜入替制のため、出演者はもちろんスタッフも朝からフル稼働で活動していましたが、終演後の皆さまの満足そうなお顔や「よかったよ!」というお声をいただけて、充実した一日となりました。

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今回の公演も、みどころがいっぱいでしたね。
フランシスコ・イダルゴとルーベン・プエルタスの2名のスペイン人ゲストダンサーの迫力のあるステップは、どのお席からでも十分堪能できたと思います。
メルチェを演じた中野華子は純粋無垢な女性でありながら、醜い嫉妬に苦しむ二面性をフラメンコで見事に表現してくれました。
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また、パキータを演じた國山一美は妖艶なダンスで皆さまを魅了したと思います。

バレエの演目で有名な四羽の白鳥のダンスでは、純白のマントンを巧みに操り、まるで本物の白鳥のような動きが印象深いものでした。
有名な宮殿でのお妃選びのシーンは、様々なテイストのダンスを依田フラメンコのダンサー総出で演じました。

演出や照明も、最後まで調整を重ね、最高のものを提供できたと思います。
特に、最後の狂気の幻影のシーンは、現実と幻影の境い目を見失い、狂気に冒されていくメルチェの心情を捉えていたのではないでしょうか。

個人的な感想としては、実力派のミュージシャンたちが奏でる伴奏が印象に残りました。特に、時に激しく、時にせつなく歌い上げるカンテは、普段フラメンコ音楽を聞きなれない者にも新鮮で魅力的なものでした。

そして、主人公メルチェの母を演じた依田由利子は、娘との関係に悩む母の苦悩を圧巻のダンスで演じきりました。役の内面を感じられるそのダンスは、まだまだ他のダンサーには到達できないものがあります。
一転して、アンコールの即興で踊ったダンスでは、軽快で陽気な一面も見せてくれましたね。

こうやって公演を振り返ると、いろいろとご紹介したいシーンが出てきてしまいます。
この感動は、実際に会場にお越しいただき、ご自分の目や耳、そして五感で感じていただいた方には共感していただけるのではないでしょうか?

依田フラメンコの次回公演は、9月に行われる「あいちトリエンナーレ」の一環である舞台公演が控えています。3年に一度開催される現代アートの祭典に参加し、国内はもちろん、国外からも多くのアートファンが押し寄せるこのイベントで、依田フラメンコのダンスをどのようにお見せしようかと、今から試行錯誤しております。
ぜひ、次回の公演も楽しみにお待ちください。

文責:田口

ニューイヤー公演 白鳥〜HAKUCHO〜の見どころについて

いよいよ今週末は、2019ニューイヤー公演 白鳥〜HAKUCHO〜の公演です。
直前ですが、本公演の見どころを抜粋してお伝えします。

《本場スペインから招聘したダンサー&ミュージシャン》
依田フラメンコの公演は、毎回フラメンコの本場スペインのアンダルシア地方からゲストダンサーとミュージシャンをお迎えしています。
日本では少数派の男性ダンサーもスペインでは数多くみられ、男性ならではのダイナミックで迫力のあるダンスを堪能できます。今回のゲストダンサーはフランシスコ・イダルゴとルーベン・プエルタス。スペイン人ならではのリズムや体の使い方は必見です!

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公演中はダンサーに目がいきがちですが、伴奏もすばらしいミュージシャンを招いています。ギターのハビエル・ゴメスとカンテ(歌い手)のカルボネーラとダビ・オルニージョが奏でる情熱的で哀愁のある音色に魅了されてください。

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《チャイコフスキーの名曲にのせて》
今回モチーフにしているのは、バレエで有名な白鳥の湖です。
だれもが一度は耳にしたことがあるくらい、有名な曲ではないでしょうか?
この、あまりにも有名な曲と振り付けを、依田ならではの演出を行い、フラメンコダンスに進化させました。
「有名なあのシーンも、依田フラメンコの白鳥では、こんな風になるんだ!」
と驚きの連続です。ぜひ、ご自分の目で確認してくださいね。

《美しい衣装の数々》
依田フラメンコの公演では、毎回衣装選びに多くの時間を費やしています。
今回は白鳥と黒鳥という、それぞれのキャラクターに応じた衣装が見どころです。
特に注目していただきたいところが、マントンといわれる大判のストールです。
大きなフリンジがついていることが特徴で、肩にかけたり体にまいたりする見た目の要素と、曲にあわせてマントンを振るといった踊りの小道具としての要素があります。
今回の白鳥〜HAKUCHO〜は、このマントンの使い方が見どころのひとつ。マントンを何度も回すシーンは、本当に鳥が羽ばたいているようです。

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また、今回は特別にビーズ作家の伊藤幸子さんが白鳥の髪飾りを手がけてくださいました。
舞台ではじっくり見れないので、こちらでお披露目します。
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繊細で、無垢な白鳥のイメージぴったりですね。

こんな、見どころたっぷりの白鳥 〜HAKUCHO〜の公演は、2019年1月19日(土)昼夜2公演行います。
 昼の部:13:30開演
 夜の部:17:30開演
 会場 :名古屋市芸術創造センター

【全席指定】
 前売料金 S席¥6,000 A席5,000
 当日料金 S席¥6,540 A席5,540
     

文責:田口

ミュージシャン紹介

フラメンコは、カンテ(歌)とギター、そして手拍子や足拍子で音楽を作っていきます。
依田フラメンコの公演は、毎回本場スペインからカンテとギターのミュージシャンを招聘し、本場の音をお届けしています。
今回は、そんなミュージシャンをご紹介します。

まずは、音楽全般の監修とギターを担当している
Javier Gómez(ハビエル・ゴメス)
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依田フラメンコの公演には何度も参加し、日本人の嗜好も熟知している彼が奏でる音楽は、本場スペインの迫力がありつつ、我々日本人の心情にもマッチした音楽です。

次に、カンテを担当する
Carbonera(カルボネーラ)
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女性ながらパワフルな歌声で多くの人を魅了し、依田フラメンコの公演にはなくてはならない存在です。30年近いキャリアを誇る迫力ある歌声を、ぜひ生で体験してみてください。

もう一人のカンテは
David Hornillo(ダビ・オルニージョ)
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アンダルシア出身のダビも依田フラメンコではおなじみのカンタオーラです。10代で地元のカンテコンクールに入賞した彼の伸びやかな歌声は現在も健在です。

これら本場のスペイン人ミュージシャンに加え、
ギターの内藤信
パーカッションのすがえつのり
サックスの椿田薫
バイオリンの中塚智心
といった実力派の日本人ミュージシャンが、チャイコフスキーの名曲を依田カラーのフラメンコ音楽にアレンジして奏でます。お楽しみに!


文責 田口

ダンサー紹介 Part2

目前に迫ったニューイヤー公演 白鳥~HAKUCHO〜
前回に続き、ダンサーの紹介を行います。

スペインからのゲストダンサー二人目は、Ruben Puertas(ルーベン・プエルタス)
依田フラメンコの舞台には初登場ですが、スペインの有名タブラオで腕を磨いている実力派です。同じくゲストダンサーのフランシスコ・イダルゴ氏とは旧知の中なので、息のあった二人のダンスが楽しみです。
これら二人のスペイン人ダンサーと、依田フラメンコの若手ダンサーの共演が、今から楽しみでワクワクしています。

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【経歴】
マドリード出身。2005年に王立音楽舞踊学校に入り本格的にフラメンコを始める。2010年にマリア・パヘス舞踊団に入団後、数々の舞台に出演し注目を集める。同舞踊団退団後は、数多くの公演にゲストダンサーとして参加し、アメリカやエジプトでも公演を行い、国内外で活躍する若手ダンサーである。

文責 田口

ダンサー紹介 Part1

今月の19日は、ニューイヤー公演 白鳥~HAKUCHO〜の公演です。
現在、最高の舞台となるよう、出演者・スタッフともに最後の調整をしております。
今回は、ニューイヤー公演 白鳥〜HAKUCHO〜の見どころを紹介します。

まずは、ダンサー紹介の紹介。
一人目は、「パコさん」の愛称でおなじみのFrancisco Hidalgo(フランシスコ・イダルゴ)
春に実施されるクルシージョ(短期講習)も、ここ数年はパコさんが担当しています。
普段は柔和な笑顔をふりまき、とってもフレンドリーな人柄ですが、フラメンコを踊り始めると、キレのある動きと力強いステップの足さばきに圧倒されます。
彼の姓「Hidalgo」は、スペイン語で「貴族」という意味があり、その名のとおり、気品ある踊りは必見です。


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【経歴】
アンダルシア地方カディス県出身の33歳。17歳より有名タブラオに出演し、プロのフラメンコダンサーのキャリアをスタートさせる。マドリードのサルスエラ劇場のダンサーとして活躍する一方、欧州を中心に諸外国での公演を重ね、2015年より独自の舞踊団を結成。ドイツやアメリカなど、海外公演を精力的に行っている。

文責 田口

新年のご挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。
晴れやかな新年をお迎えのことと存じます。


私は、夢大きくこの1月19日に控えている公演“白鳥”の仕上げに心踊らせております。
30年以上、毎年行っている舞台創作ですが、新年に公演をするのは2回目で、実に20年ぶり???の事です。

この公演の成功のために、1年以上の準備をしてきました。より完璧な舞台にしようと何度もリハーサルを重ね、多くの話し合いの時間を設けています。
毎年、紆余曲折を経て舞台を完成させていますが、最後は時間との戦いで、終演後はやりきったという充足感と少しの反省点が、次の舞台へのモチベーションとなっています。

とりわけ、私たちの公演はスペイン人アーティストと共に舞台を作っているので、文化の違いによる衝突が多々あります。
例えば、一般的にはスペインの方は我々日本人と比較すると稽古が好きではありません(もちろん例外の方もいます)。
エンターテインメントとしてのフラメンコでしたらそれも納得がいきます。しかし、私たちのように創作作品に取り組む以上は話し合いや稽古をぶつけあって、出来上がっていくものです。1回1回の稽古が勝負なのです。
人それぞれ自分の取り組み方の違い価値観の違いがあるのは当然なので、そういったことも考慮して作品を作り上げていくよう努力を重ねております。
公演の為の積み上げがいかに楽しく、必要不可欠であるか…
これは、長年舞台を作り続けてきて得た私の財産です。

自分にとってのフラメンコ、舞台、仕事、やりたいこと、やれること、やれないこと、待つこと、待てない事、忘れること、忘れられない事、全ては自分の思想に関わってくる。と同時に人との関わり方にもつながっていくと思います。

今の私がやりたいフラメンコは、テクニックの高さではなく、人それぞれが持つ味、人間臭さ、情感からさらにハートフルなアートなフラメンコ。
舞台制作ではエンターテインメントと同時に人が釘付けになるような深みのあるバランスの良い舞台を心がけています。
こんなことを考えながら作品にむかいあっています。

さあ、出演者の皆さん、今年のお正月は1月20日から始まります。
また、今年は9月29日の洋舞家協議会でのトリエンナーレ出演、さらに12月14日スタジオ公演「クリスマスアラカルト」など目白押しです。今年も多くの舞台の成功に向けて、猪突猛進、猪で楽しみましょう

2019.1.1 依田 由利子


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