うたかたの日々

第2話 「ギルドの晩餐第2章」

前回のお話の続き、、、、、、

お読みでない方は、「ギルドの晩餐 第1章」をお読みくださいませ。


さて…
その夜のマダムとジェイと私のディナーはほとんどの時間が緊張感でいっぱいだった。

緊張していたのは、私とジェイでマダムはそんなことを知らずにウキウキでしばらく留守にしていた時の事について、色々と私たちに聞いてきた。


マダム「犬や豚、羊の餌やりはどうだった?」

ファームも持っているレストランに住み込みで働いていた私たちは、シェフ見習いの仕事の他に、動物の餌やりという日課があったのだ。

私は、ジェイをチラチラと見ながら、いつのタイミングで大切な報告をしようか様子を伺っていた。

ジェイはというと、髭はもじゃもじゃで、体は大きいが、嘘のつけない純粋な男の子だったので、とてもそわそわしていて、もう何だかバレバレだったので、私はもうダメだと思い、思い切ってマダムとシェフが留守にしていた出来事を私から話す事にした。


 先にネタバレをしてしまうと、ドイツから来た訪問者のカーペンター達が、シェフ達が大切に保管している地下のワインセラーからワインを数本盗んだということなのだ。


セラーには、私たちではわからない様な高級なビンテージワインが山ほどあるので、その事実を知った時には、私たちがドキドキしてしまい、これは大変な事件が起こったと、仲間たちで毎晩これをどのタイミングでシェフご夫婦に相談しようか、会議が繰り広げられていた。

盗む前に止めれる様な状況ではなく、もう彼らは飲んでしまっていたので、からっぽの高級ワインを目にし、開いた口が塞がらなかった。

そんな一連の騒動を報告し、私たちには止めることも何もできなくて、この事実を報告することしかできなかったことにジェイも私もなんだかひどく落ち込んでいた。


シェフもマダムも、住み込みで働く私たちには普通ではありえない贅沢を日々させてくれていたので、なんとも心が痛かった。


贅沢とは、完全オーガニックの完璧な食品を毎日食べさせてもらえていた事である。

肉が欲しければ、チキンやダック、豚を締めて食べる。小麦粉、バター、家畜の食べる餌までもがオーガニックなのだ。これほどの贅沢はありえないと今でも思っている。


だから私は、ここでの生活を「ヘブン」と今だに言うのである。


少しお話はそれてしまったが、マダムはその報告を目をまん丸にしてとても驚いて聞いていたが、飲まれてしまったワインはもうここにはないので、平和な田舎暮らしの珍事件を笑い飛ばしていた。

なかなか寛大なマダムなのである。


マダムは家の修理のお礼にと、旅立つ前にお金を包んだが、どうやらなかなか上物のワインを数本空けていたようで、

「ちょっとあげすぎたかしら??」なんて笑いながら言っていた。


そんな話題の後に、さあ気分を変えてご馳走を食べましょうと、マダムがフォアグラのお料理を作ってくれた。

ここでお料理の紹介。

ちょっとこのお料理のレシピは一般向けでは全くないので、だいぶつまらなくてちんぷんかんぷんだと思うのですが、スーパー美味しかったのでご紹介です!!強引に!!

「プリザーブドしたプラムとフォアグラのソテー」

沢山買ってきた生のプラムを、シロップとバニラビーンズの入った瓶に入れて冬の保存食にと作っておいた物を使う。代用品は桃の缶詰でもいいかもね?ちょっと甘すぎるかしら。。。。?


ー材料ー
プリザーブドしたプラム2個、レッドオニオン1/2個、トリュフハニー、ライフラワー、フォアグラ3枚、エシャロット1個、チキンストック100cc、ソルト&ペッパー、ダックファット適量(なければバター&オリーブオイル)

ー作り方ー
1 レッドオニオンは放射状に12等分、エシャロットはみじん切り、プラムは皮をむき2等分、チキンストックがなければコンソメスープの素を100ccほど。フォアグラは2.5cmほどにカットし、両面に塩コショウをしてからライフラワーを両面にまぶし軽くはたいておく。

2熱したフライパンに、ダックファット、エシャロットを入れソテーする。しんなりしたら、レッドオニオンを入れ油がなじんだらチキンストック、プラムを入れ軽く加熱する。仕上げにトリュフハニー、ソルトで味を調える。ソースの出来上がり。

3 別の熱したフライパンにダックファットを入れフォアグラを入れ、中火で両面に焼き色をつける。

4 器に2のソースをしき、3のフォアグラをのせて完成。

さあ召し上がれ。


ここまで書いて、なんともう一人ディナーのメンバーがいたことを今思い出しました〜〜〜!!

もう一人はシェフの息子、ハーマン。

どうして思い出したかというと、このお料理の隠し味には何が使ってあるか?

という、マダムからの問いに、確かまだ中学3年くらいの彼は即答で、

「トリュフハニー!」

と答えたのであった。

お料理のお味は、今まで食べたフォアグラのお料理の中でトップクラスに美味しかったのであります。
この美味しさをぬく日がいつ来るのか楽しみなのであります。


Excuse me Herman!

I forgot you....

今日のお話はこのへんで…

おやすみなさい、ごきげんよう。


Posted by あっちゃん 日記

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